2006年12月14日

マルハ&ニチロ

久々のエントリ^^;
海外に行っていました。
滞在先で一番印象に残ったニュースは・・・・・
ズバリ「マルハとニチロの経営統合」。
11日のニュースなので、かなり後追いになってしまいましたが、
少々コメントをば。

水産業界では2002年に当時5位で売上高約400億円の宝幸水産を日本ハムが吸収したくらいで大きな再編はこれまでありませんでした。そういう点で、首位と3位の伝統企業同士の再編は意義があると思います。

ただ規模だけが大きくなった印象の方が強いですね。一時期に比べたら随分改善されましたが、マルハの有利子負債は今でも決して低い水準ではないですし、ニチロも同様です。両社の統合が規模だけでなく、企業ブランドも業界トップになるには、かなりの努力を要するでしょう。業界で最もブランドがある企業といえば、日本水産ですが、今回の統合だけでは、まだ日本水産に分があるかなと思います。
両社とも風通しの良い組織、という評判は聞いたことがないので、統合プロセスは時間がかかりそうですが、これからに期待したいです。

しかし、食品業界の再編の動きが本当に活発になってきましたね。
これまでは国内市場の縮小化が、引き金になっていたケースが目立ちましたが、本件、すなわちマルハとニチロの統合を決めた背景には世界的な水産資源の需要拡大による調達価格の上昇と、小売業の価格競争に伴う納入価格の下落があります。要するに原材料価格が上がったのに商品価格にコスト上昇分を転嫁できない状況が続いていたわけです。
統合を機に、魚の調達ルート拡大で商品提案力・新商品開発力を高めて小売業からの圧力を和らげることになると予想されます。実際、業界の人に聞くと、営業の現場では、小売り・卸から技術や営業、調達まで高度な要求が出てきているそうです。具体的には新聞各紙で書かれている通り、マルハの世界的な魚の調達ネットワークと、冷凍食品に強いニチロの開発力を組み合わせて新たな商品を生み出すことになるのでしょう。こういった新しい試みをするのには、前述の通り、統合プロセスが非常に重要になってくるわけです。







ラベル:TOB
posted by Qさん at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめ書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

【おすすめ書籍】M&Aファイナンシャル・アドバイザリー・サービス―実務をひもとく14のストーリー

M&Aファイナンシャル・アドバイザリー・サービス―実務をひもとく14のストーリー



M&A仲介専業大手のレコフが毎月出版している
M&A専門雑誌「marr」の中にある連載コーナーを単行本化した本です。

内容は比較的最近ホットな話題について、
ベテラン公認会計士と若手公認会計士といった架空の登場人物を中心に
会話形式で展開されていて、大変読みやすいです。

実務上問題になりうる事例もいくつかあり、参考になります。
レベルとしては初級〜中級前半です。

一つ一つの章が長くなく、移動時間中にさらっと読むのに最適です。




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2006年11月30日

企業再生に関するおすすめ書籍

11月29日の「駆け出し証券マン」さんのコメントで
企業再生に関する本を薦めてほしいとのことでしたので、
今日は二冊紹介いたします。
いずれも実務の場面で使いやすい本だと思います。



企業再生の法務―実践的リーガルプロセスのすべて



企業再生にかかわる弁護士の第一人者・藤原総一郎氏の本。実務的であると同時に、再生手法が体系的に整理されていています。また企業再生でどのようにM&Aスキームを用いいるかについても分かりやすく書かれています。全体的に分かりやすく丁寧に書かれており、これから企業再生について学ぼうとする人から実務家まで、幅広く利用できると思います。企業再生に関する知識体系をを整理する際にとても使いやすい本といえるでしょう。欲を言えば、法令索引がほしかったところです。




民事再生ビジネスとM&A―新金融技法の活用・税務のポイントと事例研究



民事再生法に関する本としては初級〜中級レベル。少し民事再生について理解を深めた後に読むと、とても参考になる本です。実際の事例が比較的多く取り上げられているため、より理解が深まると思います。







ラベル:企業再生
posted by Qさん at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめ書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月27日

M&A法大全

M&Aを仕事とする人なら必ず手元に置いてあるはずの本です。
日本屈指の弁護士事務所の弁護士陣がその叡智を結集して書いた、
という表現がふさわしでしょう。

初心者の人にとっては読みにくいとは思いますが、
M&Aに関する法律について、条文の解釈の仕方、背景など、
とても奥深く書かれています。
M&Aの実行に際して、具体的にどのような問題があって、
どのような関連法の下で、どのような手続が必要か、
という詳細を知るには、これ以上の本はありません。
特に税法の考え方や株式売買契約書の作成方法については、
実務に即した記述がなされ、大変参考になります。

しかし、如何せん、発行した時期が少し昔なので、
いくつか現行法に追いついていない箇所もあります。
改訂版の出版が待ち望まれます。


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2006年11月24日

全部取得条項付種類株式について

近々(恐らく今晩か明日)、税制改正後のMBOのスキームについて解説しようと思うのですが、その前に予備知識として、全部取得条項付種類株式について解説しておきます。全部取得条項付種類株式についての予備知識があった方が理解がスムーズになるかと思いますので、関心がある人があればご一読下さい。
構成は「全部取得条項付種類株式の定義」と「全部取得条項付種類株式への変更手順」です。

■全部取得条項付種類株式の定義

・定款の記載又は記録により、その株式を発行した株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得することが定められている種類の株式をいう(会社法171条1項、同108条1項7項)。
・全部取得条項付種類株式を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議により、取得対価として株主に給付する社債、新株予約権、新株予約権付社債、金銭その他の財産の内容等、及び取得日を決定して、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる(同171条1項)。
・全部取得条項付種類株式は関係する全ての株主の同意は必要なく株主総会の特別決議と種類株主総会の特別決議により制度化ができる。


■会社が発行している株式を全部取得条項付種類株式に変更する手順

・株主総会の特別決議により定款を変更して種類株式発行会社になることとすると同時に、全部取得条項付種類株式を発行できることにし既存の株式をその全部取得条項付種類株式に変更する(会社法第108条第2項第7号)。
・なお、この定款の効力が生じるには更に、その種類の株式を所有する(又は所有することになる)株主による種類株主総会の特別決議(第111条第2項第1号、及び第2号第3号のケースについても。第324条第2項第1号)も必要ですので種類株主総会の決議も行う。
・この定款変更が成立すると会社は既存株主の持つ株式を全部取得条項付種類株式に差替えることができる。



ラベル:
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2006年11月14日

MBO-末席重役の決断 (本の紹介)

この本は面白い構成で、二部構成になっています。
前半は特に企業再生に強いと評判の弁護士・藤原総一郎先生によるM&AおよびMBOの概説、後半は老舗人材紹介会社のケンブリッジ・リサーチ研究所の代表取締役・橋本寿幸社長が実行したMBOのドキュメントとなっています。

MBOについて知りたいという人なら、正直なところ後半部分は不要です。ストーリー自体は決して小説のように面白みのあるものではありませんので。
ただM&Aの仕事をして実際に起こりうる局面というのがあちらこちらに散りばめられており、生々しいストーリーだと思います。
(M&A業務に関わったことがない人が読むと新鮮で面白いストーリーに感じるかもしれません)

以下、一部、二部の順に簡単に解説します。

■一部
・最近になってMBOが活発に行われていますが、実はMBOに関する書籍は少ないのが現状です。そういった事情と藤原先生の端的な解説もあり、貴重な本だと思います。「M&Aとは何か」ということも含めて初めて学ぶ人でも分かりやすく丁寧にまとめられています。
・ただ気をつけなければならないのは、法改正にともない、本書で取り上げられているポッカやワールドのケースのような産業活力再生特別措置法の利用が現在では実質的に用いられない点です。
・ご参考までに、直近のMBO事例の東芝セラミックスやレックスホールディングスでは、産業活力再生特別措置法を適用せず、端株を用いて、持株会社が対象会社を100%子会社化しています。

■二部
・老舗の人材紹介会社に転職した橋本氏がMBOを実行していく様子が描かれています。
・老舗とはいえ、その当時の同社は経営者の責任で沈没寸前となっていました。そこで橋本氏が社長に大抜擢され、悩みぬいた末にMBOという結論を導きます。
・オーナーとの対峙・交渉、協力者の裏切りなど、文書化すると比較的よくある話だと思ってしまいがちですが、よくここまで赤裸々に執筆されたなぁと感心しました。
・同時に橋本社長の人生観のようなものが随所に書き表されており、読み進めていくうちに橋本氏個人にも興味が湧いてきます。




MBO―末席重役の決断MBO―末席重役の決断
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[タイトル] MBO―末席重役の決断
[著者] 橋本 寿幸稲生 隆浩藤原 総一郎
[種類] 単行本
[発売日] 2005-10
[出版社] 幻冬舎メディ..
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ラベル:MBO
posted by Qさん at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめ書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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