2006年11月30日

企業再生に関するおすすめ書籍

11月29日の「駆け出し証券マン」さんのコメントで
企業再生に関する本を薦めてほしいとのことでしたので、
今日は二冊紹介いたします。
いずれも実務の場面で使いやすい本だと思います。



企業再生の法務―実践的リーガルプロセスのすべて



企業再生にかかわる弁護士の第一人者・藤原総一郎氏の本。実務的であると同時に、再生手法が体系的に整理されていています。また企業再生でどのようにM&Aスキームを用いいるかについても分かりやすく書かれています。全体的に分かりやすく丁寧に書かれており、これから企業再生について学ぼうとする人から実務家まで、幅広く利用できると思います。企業再生に関する知識体系をを整理する際にとても使いやすい本といえるでしょう。欲を言えば、法令索引がほしかったところです。




民事再生ビジネスとM&A―新金融技法の活用・税務のポイントと事例研究



民事再生法に関する本としては初級〜中級レベル。少し民事再生について理解を深めた後に読むと、とても参考になる本です。実際の事例が比較的多く取り上げられているため、より理解が深まると思います。









ラベル:企業再生
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2006年11月29日

スティールパートナーズ、明星食品へのTOB失敗

大方の予想通り、スティールパートナーズによる明星食品の敵対的TOBが失敗しました。
TOBに失敗しても、本来の目的、すなわち「投資回収」には成功したといえるでしょう。
ファンドは投資に対するリターンをあげてナンボなので、スティールはこれで一件落着でしょう。

今日時点での新聞をざっと見ると、スティール側の視点での新聞記事ばかりでした。
同じものを書いても仕方ないし、これ以上議論の余地もないので
当事者の明星食品の視点にたって本件についてコメントします。


原点に返って明星食品がなぜ敵対的TOBをされたのか?を考えてみると
端的に表すなら、
株主の要求するリターンを生んでおらず、マーケットから評価されていなかったからです。

日清食品にとっては、全体の資産効率を下げる可能性が高い明星食品、
悪い言い方をするなら「お荷物」を抱えるわけなので、
当然、マーケットから明星食品とのシナジーを追求されるでしょう。

そこでまず考えられるのが、明星食品の資産効率を高めることです。
明星食品はスティールが株主に入った後、工場の統廃合をしていましたが、
日清食品の傘下に入ることで、再び工場の再編を余儀なくされるでしょう。
(日清食品の工場と重複する工場がいくつかあるでしょうから。)

さらには、不採算、あるいはノンコアの子会社群も売却しなければならないでしょう。
よく調べてみると明星食品の子会社には明らかに本業とシナジーが薄いノンコア事業の子会社があるからです(ここでは割愛します、調べてみると面白いですよ)。

もちろん日清食品もレピュテーションがあるので、
早急にリストラクチャリングをする可能性は低いですが、
中期的には手を打つでしょう。


日清食品の傘下に入ることで、明星食品のリストラクチャリングは
遅かれ早かれ進み、リストラクチャリングの対象となる
工場、事業、子会社に関わる仕事をしている従業員は
切り離されることになるわけです。
仮にスティールに買収されていたとしても、同じことになっていたでしょう。


やはり、経営陣の責任(むしろ罪か?)は大きいですね。
11月15日の日記で書いた通りですね。



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2006年11月28日

グッドウィルによるクリスタルの買収

今日は余談から。

このブログにはアクセスカウンターを置いていませんが
ブログの管理者ページにはアクセス数が毎日記録されています。
大した内容も書いていないのに、開設以来、今日で延べ2000人の方が
このブログを見てくださっているようです。
嬉しい限り^^

そんな中、一番アクセス数が多かった記事が
「グッドウィルによるクリスタルの買収」の記事です。

業界内でのインパクトがあること、案件サイズも比較的大きいこと、
小が大を飲んでいること、そして、何といっても裏がありそう(笑)なところ、が
関心の高さの原因となっているのでしょう。

本件について、色んなルートから裏情報を聞いたのですが、
若干公表してはまずそうなので、とりあえず、一般の人はあまり
手に取らないであろう「日経金融新聞」と「日経産業新聞」の記事を抜粋します。

これだけでも十分参考になるかと思います。


P.S.これからも皆さんのニーズの高い分野を扱いたいと思いますので
    リクエスト等ございましたら、お気軽にコメントをください。
    なお、トラックバックも歓迎しております。
    今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



■2006/11/28, 日経金融新聞, 5ページ
「クリスタル買収、グッドウィル手法に波紋、市場、経緯など不可解。」

 グッドウィル・グループ(4723)が、人材派遣サービス大手のクリスタルを子会社化したことを巡って、波紋が広がっている。小が大をのみ込む形の買収に、業容拡大期待から歓迎する向きがある一方、二つの投資事業組合をかませた買収の経緯に首をかしげる市場関係者も少なくない。グッドウィルは二十二日に子会社化した時期を訂正するなど、不可解な点も残されている。
 「なぜグッドウィルの人間が現れるんだ」。クリスタルの幹部は今月十七日、新しい取締役として乗り込んできたグッドウィルの折口雅博会長を見て驚いた。買収公表の前日に当たったこの日、クリスタルの幹部は初めてグッドウィルに買収されたことを知った。
 グッドウィルがクリスタル株を間接的に取得して経営権を握ったのは十月三十一日。だが、グッドウィルはその後二週間以上も買収の事実を明らかにしなかった。
 グッドウィルは当初、クリスタルに過半の取締役(六人)を送り込んだ十七日を子会社化の日と発表した。だが実際はグッドウィルが一〇〇%出資して十月三十一日に設立した「人材サービスファンド」は、同じ日に別の投資事業組合に七四・四五%出資。そこがクリスタル株の九〇・九二%を取得している。東証からの指摘を受けて買収日を訂正しているが、結果的に二つのファンドを介したことで、買収の事実をクリスタル側に隠すことに成功した。
 その背景にはクリスタル株の九割近くを保有していた林純一元会長の意向がある。林元会長は十月三十日、ファンドへの株売却を決め契約を結んだが、その際の条件は「同業他社には株を売らないこと」だった。従業員の雇用を維持し、上場を目指してほしかった。元会長にとってグッドウィルのクリスタル買収はまさに寝耳に水だった。
 しかも、グッドウィル側は買収額を八百八十三億円としているが、投資事業組合が林元会長らに払ったのは約五百億円。売却を急いでいた元会長は、クリスタルの純資産額(七百九十一億円)より大幅に安い値段で手放すことに同意したが、グッドウィルの公表出資額との間には三百億以上の開きがある。
 クリスタルは連結売上高五千九百十一億円(二〇〇六年三月期)を誇る人材派遣大手。グッドウィルは二十八日に投資家向け説明会を開催し、買収の詳細を発表するとしているが、林会長の怒りは当分収まりそうにない。


■2006/11/24, 日経産業新聞, 24ページ
「コンプライアンス・リスク(眼光紙背)」

 大型のM&A(企業の合併・買収)が相変わらず証券市場をにぎわせている。最近興味を引かれたのは、人材派遣・介護事業大手グッドウィル・グループによる業務請負最大手クリスタル(京都市)の買収。グッドウィルにとって、クリスタルは連結売上高で三・二倍、従業員数で十二倍の規模を持つ。しかもクリスタルは赤字会社ではなく、二〇〇六年三月期の最終損益は二百十五億円の黒字。こんな会社の経営権を八百八十三億円で手に入れたのだから、買収発表直後からグッドウィルの株価が大幅に上昇しているのも無理はない。
 ただ先行きは楽観できない。クリスタルは度重なる「偽装請負」で十月に系列会社が労働者派遣法に基づく初の事業停止命令を受けるなど強引な商法が物議をかもしてきたほか、ネガティブな記事を掲載した報道機関を相手に巨額の賠償訴訟を起こす強面(こわもて)ぶりでも知られた。創業者の元社長が保有株の大半を手放すことになったのも、不祥事の頻発で金融機関に信用不安が広がったのが一因といわれる。
 実は、親会社になるグッドウィルも「偽装請負」を繰り返し、昨年六月に労働者派遣法による事業改善命令を受けた過去がある。今回の買収について市場関係者の間には「コンプライアンス(法令順守)面のリスクを注視すべき」との声も出始めている。M&Aの正当な評価を下すには、まだ時間がかかりそうだ。





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2006年11月27日

M&A法大全

M&Aを仕事とする人なら必ず手元に置いてあるはずの本です。
日本屈指の弁護士事務所の弁護士陣がその叡智を結集して書いた、
という表現がふさわしでしょう。

初心者の人にとっては読みにくいとは思いますが、
M&Aに関する法律について、条文の解釈の仕方、背景など、
とても奥深く書かれています。
M&Aの実行に際して、具体的にどのような問題があって、
どのような関連法の下で、どのような手続が必要か、
という詳細を知るには、これ以上の本はありません。
特に税法の考え方や株式売買契約書の作成方法については、
実務に即した記述がなされ、大変参考になります。

しかし、如何せん、発行した時期が少し昔なので、
いくつか現行法に追いついていない箇所もあります。
改訂版の出版が待ち望まれます。


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2006年11月25日

税制改正後のMBOスキーム

告知した通り、税制改正後のMBOスキームについてまとめます。

以前のエントリでMBOの際にTOBの後、完全子会社化するスキームで税制改正により産業活力再生特別措置法(以下、産業活力再生法)を使わなくなると書きました。
ではどうなるのか?ということまではあまり書いていなかったので、いくつか事例が出てきたし、これを機会にまとめておこうかと思います。

結論からいうと、手法は二つ。特にスキームの名前があるわけではないのですが、便宜的に名前をつけると
@端数株式交付方式
A全部取得条項付種類株式交付方式

@は東芝セラミックスのMBO、キューサイのMBOで用いられた手法、
Aはレックス・ホールディングスのMBOで用いられた手法です。

さて、少し話がながくなりそうなので、目次をつけて説明します。流れは下記の通りです。
1.税制改正で何が問題となったのか
2.@、Aの手法についての詳細
3.補足


1.税制改正で何が問題とあったのか
MBOではTOB(株式公開買い付け)後に完全子会社化するため、現金を対価とした株式交換で少数株主を締め出す方法が主流でした。しかし今年度の株式交換・移転税制の改正(2006年10月1日以降適用)により、従来の手法で実施した場合は税負担が発生することになりなりました。税負担が発生すれば買収価格にも影響するので、MBOの実現ハードルが上がることになります。そこで課税を回避する必要性が出てきたのです。

税制改正前の具体例を示しますと、ポッカコーポレーションやすかいらーくの事例では、産業活力再生法を用いていました。すなわち、まず経営陣やファンドが特別目的会社(SPC)を設立し、SPCがTOBで対象会社の発行済み株式の3分の2超を取得し、その後に産業活力再生法を使って現金を対価とした株式交換で少数株主を追い出し完全子会社化していました。

しかし税制改正で株式交換・移転税制が組織再編税制に一本化されたことで、少数株主に対して現金など買収者の株式以外を対価とする株式交換を実施した場合、買収対象会社の資産に一定以上の含み益があれば、評価損益に対する税負担が発生することとなり(具体的には具体的には土地や有価証券などの資産を時価評価し、含み益と事業活動で得られた利益と合算。そこから会計上の収益・費用と税制上の益金・損金の差を調整し、課税対象となる所得を計算。法人税などを課税する)、課税を回避する必要性が出てきたわけです。仮に期間利益が赤字でも含み益で黒字になり、税金を払わなければならない場合もでてくるでしょう。また資産を売却せず、キャッシュが入らない状況で税金だけ支払うこともあるでしょう。多くの含み益を持つ企業にとってはMBOというスキーム自体を再考せざるを得ない可能性があるわけです。


2.@、Aの手法についての詳細
@端数株式交付方式
10月2日に発表したキューサイと、10月31日に発表した東芝セラミックスのMBOで用いられたスキームです。
SPCが買収対象会社の株式の3分の2超をTOBで取得するところまでは従来と同じで、違うのはは株式交換の際に現金ではなくSPCの株式を交付する点です。この際に株式交換比率を調整し、少数株主には1株に満たない端数株式を交付し、その後にSPCが端数株式を現金で買い取ります。この方式なら、株式交換の際に少数株主に交付するのはあくまでもSPCの株式なので、税制改正の影響を受けないとみられています。

A全部取得条項付種類株式交付方式
11月10日に発表されたレックス・ホールディングスのMBOで用いられたスキームです。
SPCがレックスHDの株式をTOBで取得するところまでは同じ。違うのは、TOB後に株主総会でレックスHDを種類株式発行会社に変更し、発行済み普通株式に全部取得条項を付ける点です。この条項があれば会社は株主の同意なしに自社株式をすべて取得できるため、株式の全部取得と引き換えに、株主に別のレックスHD株を交付。このとき、少数株主には1株に満たない端数株式が交付されるよう単元を調整し、最後に現金で少数株主から端数株式を買い取り完全子会社化します。なお、この方法では合併や株式交換を使っておらず組織再編税制の枠組みから外れます。


3.補足
代替手法はいずれも最終的に端数株式を使って少数株主に現金を交付する点は同じですが、一方は株式交換という方法で少数株主にSPCの株式を交付、もう一方は全部取得条項付種類株式という手法で買収対象会社の株式を交付するという点が異なります。
ただ、実質的に従来と同様の効果を持つ手法でありながら、課税回避のために別の手法を使っていると判断された場合、課税されるリスクはゼロではありません。税務調査が入ってみないと結果はわからないと思われます。





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2006年11月24日

全部取得条項付種類株式について

近々(恐らく今晩か明日)、税制改正後のMBOのスキームについて解説しようと思うのですが、その前に予備知識として、全部取得条項付種類株式について解説しておきます。全部取得条項付種類株式についての予備知識があった方が理解がスムーズになるかと思いますので、関心がある人があればご一読下さい。
構成は「全部取得条項付種類株式の定義」と「全部取得条項付種類株式への変更手順」です。

■全部取得条項付種類株式の定義

・定款の記載又は記録により、その株式を発行した株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得することが定められている種類の株式をいう(会社法171条1項、同108条1項7項)。
・全部取得条項付種類株式を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議により、取得対価として株主に給付する社債、新株予約権、新株予約権付社債、金銭その他の財産の内容等、及び取得日を決定して、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる(同171条1項)。
・全部取得条項付種類株式は関係する全ての株主の同意は必要なく株主総会の特別決議と種類株主総会の特別決議により制度化ができる。


■会社が発行している株式を全部取得条項付種類株式に変更する手順

・株主総会の特別決議により定款を変更して種類株式発行会社になることとすると同時に、全部取得条項付種類株式を発行できることにし既存の株式をその全部取得条項付種類株式に変更する(会社法第108条第2項第7号)。
・なお、この定款の効力が生じるには更に、その種類の株式を所有する(又は所有することになる)株主による種類株主総会の特別決議(第111条第2項第1号、及び第2号第3号のケースについても。第324条第2項第1号)も必要ですので種類株主総会の決議も行う。
・この定款変更が成立すると会社は既存株主の持つ株式を全部取得条項付種類株式に差替えることができる。



ラベル:
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2006年11月23日

TOBのプレミアム

JPモルガンが買収を発表する直前の株価に対するプレミアムを計算したところ、
今年第二四半期では下記のような結果となった。
・米国は20.5%
・欧州は14.9%
・日本を含むアジア太平洋地区は9.0%

ITバブルの全盛期には米国で40%前後となっていた時期もあったが、
最近では欧米では15〜20%のレンジで落ち着いている模様。

日本で最近注目されてる案件は20〜30%超だと思うので、
やはり日本は売り手市場といえるであろう。
買い手企業は買収後、プレミアムを超える利益を
対象企業から生み出せるのであろうか?
買収価額が高すぎれば、買い手企業の株主の利益を
損ねることとなるので、無理な買収金額の提示も考え物である。




ラベル:TOB
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2006年11月20日

オープン型M&Aの時代へ

劇場型M&Aからオープン型M&Aの時代へ


M&Aという言葉が世間に浸透したのが昨年のライブドアによる一連の買収騒動だと思います。
M&Aが広く知れ渡ったことはいいのですが、同時にM&Aに対して偏ったイメージを持つ人が増えたのも事実だと思います。
お茶の間のワイドショー好きなおばさま達も興味をもつなど、「劇場型M&A」と言われていました。

今年に入ってしばらくして、「劇場型M&A」は落ち着いきましたが、M&Aの勢いは止まることを知りません。
特に今月は一般消費者にもよく知られている明星食品やメルシャンなどの企業がM&Aの対象となり、ますますそういった案件が増えてくるのではないかと思います。
経営手法・経営戦略の一つとしてM&Aが経営者に浸透してきている証拠でしょう。
そんな中、小生が個人的に注目しているのは、直近の明星食品に対するスティール・パートナーズのTOB提案や北越製紙に対する王子製紙のTOB提案といった、提案内容を公開し、その判断を相手企業の経営陣のみならず株式市場にも問う、「オープン型M&A」です。

これまでほとんどのM&Aは成約するまで情報が公開することがありませんでした。すなわち、当事者同士が合意の上、相対で非公開のまま交渉を進めていました。
この背景には
・先ほど述べたように、M&Aが一般的な経営手法となってきたこと
・市場経済が日本にも根付いてき株主への配慮がこれまで以上に重要になってきたこと
・少子高齢化国内市場が縮小し、成長戦略が描けない業界が増えていること
・グローバル競争に巻き込まれている企業が増えていること
など、様々な要因がからんでいると思います。


これからは、2000年前後の不況の時代に多かった不振企業の再生、バランスシートのスリム化を目指すためのM&Aなどではなく、業界での生き残りをかけた大型再編が増えていくといえるでしょう。




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2006年11月19日

スティール・パートナーズと日清食品と明星食品

明星食品について、日経新聞の情報が出てきたのでまとめておこうと思う。

(明星食品が日清食品に売却を決めた裏側)
・そもそも明星食品の永野社長は当初全く日清食品への売却を考えていなかった。
・しかし、スティール・パートナーズへの対応策は社内でどんなに議論しても結論が出なかった。
・そんな中、永野社長に決断を日清との提携を迫ったのがアドバイザーの三菱UFJ証券。資金力やブランド力を備えた最も有力な同業者をホワイトナイトにさせるのが、三菱UFJ証券が当初から描いていたシナリオ。
・日清食品との提携については、社内では当然反発があった。
・永野社長は15日の週の頭に、スティールとの首脳と会談し、日清との提携を仄めかし、スティールが株を売却しないか打診したが、スティールは断った。
・以上の経緯があり、明星食品が日清食品に相談したのはスティール・パートナーズがTOBを表明して約一週間後となった。(以上、日経新聞11/16号より)


いずれにせよ、現在ボールはスティール側にあり、次の一手で今後の展開の大筋が決まるでしょう。次の一手は@日清食品のTOB提案に応じるA日清食品に対抗し、TOB価格を上げる、の二通りに集約されますが、恐らく@の方向になるでしょう。スティールとしては、投資回収が最優先事項であり、日清が提示したTOB価格は投資回収の点で、悪くない水準だからです。
明星食品に揺さぶりをかけ、再編の流れを作り、株価が上昇した時点で持ち株を売り抜ける、というのが恐らくスティールの狙いだったのでしょう。ちなみにスティールは日清食品の株も6%程度保有しています。抜け目ないですね。

スティールが今回の件を仕掛けた背景には、同社の運用利回りが10%を大きく下回っているとの噂があるのですが、それと関連しているのだと思います。



ラベル:敵対的TOB
posted by Qさん at 16:22| Comment(0) | TrackBack(1) | 最近のニュースの考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グッドウィルがクリスタルを買収

人材業界でビッグなM&Aニュースがありました。

「グッドウィルがクリスタルを買収」

案件の概要は
・グッドウィルが100%出資している投資ファンドを通じてクリスタルの発行済株式の67%を取得。
・買収金額は880億円
・グッドウィルがクリスタルに6人の取締役を派遣。クリスタルの取締役の過半数を占めることとなった。


驚くべき点は3点。

一点目は小が大を飲み込んだこと。直近期の売上高はグッドウィルが1,859億円なのに対し、クリスタルは5,911億円。本件により、グッドウィルの売上規模は4倍になる。

二点目は買収金額。手法としてはLBOなのでしょうか。詳細は不明ですが、現在、事業停止命令を受けているクリスタルを大金を注ぎ込んで買収するのは、それなりのリスクがあるはず。思い切った決断です。

三点目はクリスタルが売却を決断したこと。クリスタルといえば、コテコテのオーナー会社で、色んな雑誌で取り上げられていたけど、何でもかんでもM&Aしてきた会社です。そんな会社が売却に踏み切ったのは驚きです。事業停止命令が余程痛かったのでしょうか。


情報が少ないので何とも判断できないところなのですが、人材業界史上、最もインパクトのあるニュースでしょう。



ラベル:業界再編
posted by Qさん at 13:30| Comment(0) | TrackBack(1) | 最近のニュースの考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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